ドライマウスとは、日本語で口腔乾燥症のことを言います。広い意味では、唾液分泌の低下だけではなく、口が乾いていると自覚する症状すべてを指すことになります。また、狭い意味では、唾液の分泌が低下して口が乾いている症状を指します。
唾液の分泌が低下して、口が乾く原因はさまざまです。主に次のような原因があげられます。
- 口が乾く作用(副作用)を持った薬剤の服用によるもの
高齢者の場合、多くの薬剤を飲んでいるので、薬剤によって口が乾くことがかなりあります。
- 年齢により唾液分泌の能力が落ちていることによるもの
- 精神的な緊張などによるもの
老人性うつの方に多いです。
- 口で呼吸していることによるもの
蓄膿症など鼻の病気の方に多いです。
- 糖尿病、腎臓病、肝臓病などの病気によるもの
- リウマチやシェーグレンと言う自己免疫疾患によるもの
ドライアイの症状がある方は要注意です。
- 脳血管障害(脳卒中、クモ膜下出血、脳梗塞)によるもの
- 放射線治療、骨髄移植などによるもの
口が乾燥すると舌の粘膜も乾燥し、ひび割れることもあります。他には、感染していたり、腫れていることも考えられます。カンジダ菌に感染して痛くなることもあります。
ストレス社会は人々に緊張をもたらし、のどの渇きを訴える人が増えています。また現代では、ファストフードなどのやわらかい物を食べる機会も増え、咀嚼時間が昔に比べてずいぶん短くなりました。その結果、唾液の泌量が低下し、ドライマウス症状になる方もいます。ドライマウスはまさに現代病といえると思います。
口の中が乾くと、唾液の持っている自浄作用が失われ、通常よりも感染症になりやすくなります。また、口臭が気になったり、食べ物をうまく飲み込めないといった症状があらわれます。
気になる症状がある方や、ご心配なことがある方、どうぞお気軽に歯科医院へご相談ください。お口の状態をチェックしてお一人おひとりにあった口腔内の改善法をご提案いたします。