歯周病ってどんな病気?歯周病の原因と進行について

歯周病とは

歯周病は歯を支える歯ぐきと骨、いわゆる歯槽膿漏が破壊されていく病気です。歯周病を起こす原因は、歯と歯ぐきの境にたまった歯垢の中にいる歯周病菌となります。この歯周病菌が歯ぐきに炎症を起こし、少しずつ歯周組織を破壊していきます。

歯を失う原因の多くが歯周病!

歯周病は、初期段階ではほとんど自覚症状がなく、気づいた時にはかなり進行しており、最終的には歯を失う可能性もあります。実際、歯を失う原因の第1位は歯周病であり、第2位が虫歯とされています。

現在、日本人の平均寿命は以前よりも延び、100歳まで生きることが可能な時代とされています。健康で充実した人生を送るためには、体と口の健康が欠かせません。一生涯にわたって健康な歯と口を保つためには、歯周病の予防、早期発見と治療が必要です。

このページでは、歯周病の原因や症状についてご説明します。歯が失われる前に、お口の健康について歯科医院にご相談いただけると幸いです。

歯周病の進行

歯周病は、次のように進行していきます。進行により痛みを伴うことは少なく、歯ぐきからの出血などで歯周病に気づくことが多いです。

図:歯周病の進行

図:歯周病の進行

1.歯周炎

歯肉溝に入り込んだ歯周病菌によって、歯ぐきだけが炎症を起こしている状態です。歯ぐきの縁が部分的に赤く腫れますが、自覚症状はほとんどありません。歯周炎では、歯肉溝の深さは2~3mmとなります。

2.軽度の歯周炎

炎症が進行して、歯肉溝は歯槽骨の一部が吸収した歯周ポケットになります。歯ぐきは赤く腫れ、触るとぶよぶよしたり、出血しやすい状態が続きます。軽度の歯周炎では、歯周ポケットの深さが2~4mm未満となります。

3.中等度歯周炎

歯槽骨の吸収が進み、歯がぐらついしたりします。歯の根元が露出しはじめるので、歯が長くなったように見え、膿の排出や口臭も現れます。中等度歯周炎では、歯周ポケットの深さは4~6mmとなります。

4.重度の歯周炎

歯を支える歯周組織が破壊され、歯根が露出します。歯ぐきからは膿や血が持続的に出ます。最終的には、歯槽骨が大きく失われて、歯がぐらぐらして抜け落ちてしまいます。重度の歯周炎では、歯周ポケットの深さは6mm以上となります。

歯周病になりやすい人

歯周病のかかりやすさは、口内の状態だけでなく、全身の状態や生活習慣にも影響されます。特に、歯周病は4つの危険因子が重なると発症や悪化が起こりやすいと言われています。

歯周病の予防には、口腔ケアだけでなく、日々の生活習慣の見直しも大切となってきます。また、外傷性因子や環境因子に心あたりのある場合、歯周病リスクが高い可能性がありますので、普段から注意が必要です。

歯周病になりやすい4つの危険因子

  • 細菌因子:お口の中の歯周病菌
  • 宿主因子:体質や抵抗力の低下など
  • 外傷性因子:悪い噛み合わせ、歯ぎしり、食いしばりなどの歯に負担をかける状態
  • 環境因子:喫煙、ストレス、歯みがきが不十分などの悪い生活習慣

歯周病の症状

次の症状が1つでも当てはまる方は、歯周病の可能性があります。早めに歯科医院へ受診して、一度検査してみてください。早めに見つけて対策することは、皆様の歯を守ることにつながります。

図:歯周病の症状イメージ

歯周病の症状
  • 歯ぐきが赤く腫れた部分がある
  • 口臭が気になる
  • 歯ぐきがやせてきたように思う
  • 歯と歯の間にものがつまりやすくなってきた
  • 歯を磨いた後、血が付いたり、すすいだ水に血が混じる
  • 歯ぐきがブヨブヨしている
  • ときどき歯が浮いたような感じがする
  • 歯を指で触ると、少しぐらつく歯がある
  • 歯ぐきから膿が出たことがある

歯周病の検査と治療

歯周病の基本的な検査と治療は次のようになります。どんな方もまずは検査・診断を行います。その後、歯科医師より治療内容をご提案させていただきます。

主な検査

  • 問診
  • 歯垢を、染色液で染めて付着を確認
  • 歯周ポケットの検査
  • 歯の動揺度(ゆれ)の検査
  • X線検査で歯槽骨の状態を調べます

主な基本治療

  • 歯みがき指導
  • プラーク・歯石の除去(歯のクリーニング)

プラーク・歯石の除去では、歯科の専門器具を使って歯垢や歯石を除去します。一般に歯のクリーニングなどと呼ばれます。これによって汚れが再びつきにくくなるとともに、歯周ポケットが浅くなることが期待できます。

基本的な治療で症状が改善されない場合は、歯周外科治療を行うことがありますが、まずはどんな方も検査からです。お口の中をチェックしたうえで、治療法をご提案しますので、ぜひまずはお早めにご相談ください。

歯周病の基本治療の役割

歯周病に対して、はじめに行われるべき治療が歯周基本治療となります。この歯周病の基本治療には、歯垢(プラーク)と歯石の除去が重要です。

図:歯垢・プラーク除去のイメージ

図:歯垢・プラーク除去のイメージ

歯垢は歯ブラシで落とせる部分と、歯科医院で専用の器具を使って除去する部分があります。歯石は歯科医院で専門の器具を使って除去します。歯周病の原因となる歯垢は、細菌のすみかです。この細菌は食事の糖などをえさにして増殖します。基本治療によって、歯垢をしっかりと除去することで、歯周病の原因除去、そして細菌の増殖を抑えることに役立ちます。

また、歯周病が進行すると歯が動くことがあります。そのため、歯が正しく噛み合わないと負担が増してしまいます。この負担を軽減するために、歯を削って噛み合わせを調整することも行います。

これらの基本治療によって、歯周組織の状態が改善され、歯周ポケットの深さが2〜3mm程度になれば、定期的な検診に移行して様子をみていきます。しかし、状態が改善されない場合は、さらなる治療が必要になる場合があります。

歯周病の検査予約

歯周病の検査、歯科検診については、随時ご予約を受け付けております。通常、初診の方は30分程度で検査や診察を行います。費用は、保険適用となり、3割負担の方で3000円程度となるケースが多いです。

市川市鬼高の岡永歯科では、新患・急患の方も受け付けております。ご予約に空きがあれば当日予約も可能です。歯周病の検査、歯科検診をご希望の方は、当院の受付時間内にお電話でご相談ください。なおインターネットからも予約申し込みが可能です。

※インターネット予約申し込みについては、入力送信時点では受付申し込み(仮予約)となります。インターネットでお申込み後、詳しいお時間をお決めするため、当院からお電話を差し上げます。お電話で日時を確認のうえ、予約確定となりますのでご了承ください。