取り外し可能な装置による矯正治療について

不正咬合による弊害は?

最近「歯並びを治したい」と相談する患者様が増えていますが、正しくない歯並びや噛み合わせ(不正咬合)は、どんな弊害をもたらすのでしょうか?歯並びは見た目への影響だけではなく、毎日の生活を送る中でさまざまな影響があります。

不正咬合による日常への影響

  • 食べ物をよく噛めません。消化吸収に悪い影響を与えます。
  • 歯や口の中の清掃がやりにくいです。むし歯や歯周病にかかりやすくなります。
  • 特定の歯に強い力が加わり、歯周組織に悪い影響を与えます。
  • 発音がうまくできません。聴き取り難い言葉になります。
  • 歯並びが気になり、劣等感に陥りやすくなります。

当院で行う矯正治療の特徴

岡永歯科では、顎関節症や歯ぎしりの患者様が多いということもあり、歯に装置を固定して矯正する方法を採っていません。取り外しができる矯正装置を使用しています。多くのほとんどのケースが、この方法でも治っています。当院で取り扱う取り外しができる矯正装置による矯正治療法には、次のような特徴があります。

● 食事制限がない

矯正装置を取り外しできるので、何でも食べられます。

● 虫歯や歯周病になりにくい

矯正装置を取り外しできるので、歯磨きが容易で虫歯や歯周病になりにくいです。

● 歯ぎしりの患者様も治療ができる

歯ぎしりの患者様に対しては、歯ぎしり治療用のマウスピースを兼ねた装置を使用できるので、心配はいりません。

● 歯を抜かずに済むケースが多い

できるだけ歯を抜かないようにしています。

● 目立たない矯正装置の使用も可能

クリアアライナーを使用することによって、矯正装置を入れていることに気がつかれずに治療ができます。

● 矯正専門の歯科技工士が装置を作製する

矯正専門の歯科技工士が装置の作製を担当しているので、精度の高い装置の作製が可能です。 しかし、治療には、患者様の協力が不可欠です。矯正装置が取り外しできるので、患者様が装置を使ってくれないと治りません。

矯正治療の流れ

当院の矯正歯科治療は主に次の流れで進めます。

  1. 検査・診断
  2. 矯正(矯正装置による治療)
  3. 保定(保定装置による治療)

検査・診断では、(レントゲン写真や歯型模型など資料を集め、歯列矯正に必要な診断を行います。その結果によって、どのような矯正装置を使って治療するかが決まります。

次に診断結果に基づいて矯正装置を作製します。歯型を採り、矯正専門の歯科技工士に作製を依頼します。約1週間でできます。矯正装置が仕上がったら、矯正装置を装着して歯並びを改善していきます。矯正の治療は、装置を入れて終わりではありません。定期的に経過を診て、矯正装置を調整管理する必要があります。そのため、定期的に来院する必要があります。

歯並びが良くなってきたら、後戻りしないように保定の装置を入れます。保定装置も、歯型を採り、矯正専門の歯科技工士に依頼して作製します。装置が仕上がったら装着をはじめます。

さまざまな矯正装置

岡永歯科で主に用いられる矯正装置には、さまざまな種類があります。下記、当院で主に用いる装置をご紹介いたします。当院では、患者様のご希望と歯並びの状態に応じて使用する装置をご提案させていただきます。

■床矯正装置

床矯正の装置は、取り外し式の床タイプの矯正装置です。ヨーロッパ方面で発達した取り外し式の矯正装置で、応用範囲が広く、日本でもよく用いられています。個々の患者様の状況によって、同じ種類の矯正装置であっても装置の細部が異なることがあります。

■透明のマウスピース装置(クリアアライナー)

クリアアライナーは、コンピューターで歯の動き予測して製作される矯正装置です。装置は、治療の経過に応じて、数回ほど作製します。目立たない矯正装置なので「人に気づかれずに矯正できる」ことが大きな特徴と言えます。また、歯並びを治しながら、ホワイトニングや予防歯科処置(3DS、フッ素塗布)をすることも可能です。

治療費について

矯正歯科治療にかかる費用は、選択する装置や歯並びの状態や治療期間、それから材料価格の変動によって異なってきます。下記は目安となります(2022年10月時点)。参考までにご覧ください。実際にかかる費用は、ご来院の際、診察のうえでご説明させていただきます。

費用の目安

■マウスピース矯正の場合

相談・検査・診断・治療までの標準料金(税込):330,000円 ~ 550,000円

治療期間目安:1年~2年

通院回数目安:12~24回

■床矯正の場合

相談・検査・診断・治療までの標準料金(税込):220,000円 ~ 330,000円

治療期間目安:1年~2年

通院回数目安:12~24回

矯正歯科治療の注意点・リスクなど

  • 矯正歯科治療は、期間のかかる治療となり、数年かかることが一般的で定期通院が必要となります。
  • 歯並びの改善には個人差があります。
  • 矯正装置を装着することによっては大きなストレスを受ける方もいらっしゃいます。
  • 矯正歯科治療は、自費診療(保険適用外)となり治療費は全額自己負担となります。また、患者様の選択する治療法や治療期間などにより異なります。治療前には歯科医師より十分に説明させていただき、患者様の同意を得て進めます。