心療歯科とは?心の悩みやストレスからくる歯の痛みを診察

心療歯科とは

現代において、心の悩みやストレスから、歯や顎を病む人が増えています。逆に、歯並びや口臭を苦にして引きこもりになったり、歯科医が怖くて治療が受けられなかったり、といった人も多いです。そんな中、患者さんの心をケアしながら歯を診察する「口腔心療科」や「心療歯科」に関心が集まっています。

原因が分からないお口や顎の痛み

口腔心療科や心療歯科は、原因が分からない歯や歯茎の痛みや、舌がひりひりする・顎がうまく動かせないなどの症状や、歯科治療恐怖症の患者さんに対する診察を行います。患者の訴えをじっくりと聞き、痛みの原因を探ります。そして、歯科治療法だけでなく心理療法や薬物療法も組み合わせて対応します。

歯科医院では、歯を削ったり抜いたりする技術が重要視されてきましたが、現代社会がストレス社会となり、心と体の関係も重要視されるようになっています。そのため、患者さんの健康をトータルで考える必要があると考えています。当院の院長は日本心理学会認定心理士資格取得しており、患者さんの心の悩みやストレスに対応した治療にも対応しております。

原因不明のお口の症状

なぜか歯や舌が痛い・口臭が気になって・・・など、原因不明のお口の症状に悩んでいませんか。いくつかの歯科医院や他科を受診しても、「特に異常なし」を言われたけど、痛みや違和感が続いているといった方は「歯科心身症」かもしれません。次のような症状、ご相談ください。

  • 舌が痛む、ヒリヒリした感じがする
  • 歯科治療を行っても、痛みがとれない
  • 入れ歯が合わなくて、いつも不安に思う
  • 歯科治療が終わっても、咬み合せが合わない
  • お口の中がずっと乾いている
  • 口臭が気になって仕方がない方

患者さんが痛みを感じているにも関わらず、歯科医師が検査しても原因が特定できないことがあります。この場合、患者さんは口の中や周りに何か問題があると考えますが、通常の治療では症状が改善されません。これが歯科心身症の特徴で、原因不明のまま治療期間が長期化してしまうことがあります。

また、症状は患者さんごとに異なり、他人に理解されにくいこともあります。しかし、一人で悩まずに口腔心療科や心療歯科の歯科医院に相談してください。

怖くて治療が受けられない場合

歯科治療恐怖症であっても、必要なときには、歯科治療は受けなければなりません。そこで、岡永歯科では、痛みなどに対する恐怖心のために歯科治療が受けられなくて困っている患者さんに対して、下記のようなリラックス治療を行っています。

「歯の治療が怖い」「痛がりや嘔吐癖があるなどで歯科治療を受けられなくて困っている」そんな患者様には、心療歯科的な治療を併用しています。心理テストを行い、カウンセリングを行なった後、抗不安薬などの鎮静療法を併用しながら歯科治療をしています(当院は入院設備がないので、全身麻酔、静脈内鎮静法は行なっていません)。通常の場合、抗不安薬などの経口投与によって、リラックスした状態で歯科治療を受けることができるようになります。

しかし、患者さんの中には、抗不安薬などに抵抗感がある方もいらっしゃいます。そのような患者さんには、無針電極刺激麻酔を使用しています。この方法だけでは、麻酔効果は不十分で通常の麻酔を併用しますが、鎮静効果が得られます。

変化する歯科治療

現在、予防歯科が重視されています。子どもたちでは、虫歯予防のために定期的に歯科医院を受診する方が増えています。大人では、自分の歯をできるだけ長く保ちたいと考え、虫歯・歯周病予防に取り組む人が増えています。

歯科治療は多くの人が好きではありません。特に、過去の治療にトラウマがある方は、治療に対する恐怖心を抱くことでしょう。しかし、最近では患者のニーズに合わせ、歯科医院の雰囲気や設備が、ひと昔前に比べてだいぶ変化しています。リラックスして気軽に受診できる環境が増えたと思います。

もし歯に何か問題を抱えている方や、改善をあきらめている方がいらっしゃれば、口腔心療科や心療歯科の歯科医院を気軽に訪れてみることをお勧めします。