顎が痛い・口が開けにくいといった症状は顎関節症かもしれません!

顎関節症とは

顎関節症(がくかんせつしょう)とは、顎関節や顎の周囲の組織に炎症や障害が起こって、口を開け閉めする際に痛みや不快感を感じる症状を指します。症状には個人差がありますが、代表的なものは次のような症状です。

  • 顎を開け閉めする際の痛み
  • 口を開けにくい、閉じにくい
  • 口を開けた状態が長く続かない
  • 顎が痛む
  • 耳の近くが痛む
  • 頭痛やめまいなどの症状

上記の症状を訴えて歯科医院を受診される患者さんでは、女性が多く、年齢は10歳代後半から増加しはじめて、20~30歳代の患者さんが最も多いと言われています。

顎関節症の原因

ひと昔前は、顎関節症は「かみ合わせの悪さ」が原因と考えられていました。しかし現代では、顎関節症の原因は、さまざざまなものが考えられます。一般には、ストレスや過剰な咀嚼、歯のかみ合わせの不調和、顎関節の変形や損傷、病気や外傷などが挙げられます。

顎関節症は、さまざまな要因によって顎関節や筋肉に負担がかかることから引き起こしやすくなりますので、日常生活の何気ない癖や姿勢が、要因になっていることもあります。歯ぎしり、食いしばり、片側でのかみ癖、うつぶせ寝、スマートフォンの長時間操作などが指摘されています。

顎関節症の治療

顎関節症の治療法は、痛み止めや消炎剤の投与、スプリント(マウスピース)による治療、口腔内の調整、開口訓練、マッサージ・ストレッチなど、原因に応じて異なります。早期の治療を行い、日常生活での注意や予防策を取ることで、症状を緩和できることが多いです。

顎の痛みも、歯の痛みと同じように、痛みがあることで食事が楽しめなかったり、仕事や勉強中に集中力が保てないなど、日常生活へ悪影響があると思います。歯科医院の診察を受けて、正しい対策を行い、少しでも早く悩みの改善を目指してほしいと思います。

顎関節症のセルフケア

顎関節症の改善には、歯科医師の指導のもとで患者さん自身が行うセルフケアもとても大切です。積極的に行うことで症状が改善されていきますので、試してほしいと思います。また、痛みの原因が別にあったり、間違ったセルフケアを続けても症状が改善されることはありません。症状が改善されない場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。

食事の改善

痛みがある場合は、顎に負担をかけないようにすることが重要です。口が大きく開けられないときは、硬い食べ物や大きなかみ合わせを避け、柔らかい食べ物や小さく切って食べるようにしましょう。また、噛む回数を減らすために、食べ物をよくかんでから飲み込むようにしましょう。

口を開けるストレッチ

ストレッチは、徐々に行い、痛みが出ない程度に無理せず取り組むことが重要です。口を開けたり閉じたり、左右に動かしたりする簡単な体操を行うことで、顎関節周囲の筋肉をほぐし、顎の緊張を緩和することがで痛みも軽減します。予防効果も期待できます。

鼻呼吸をする

口呼吸は、口の中が乾燥し、口腔内の筋肉の機能低下を引き起こすことがあります。これにより、顎の位置や姿勢が悪くなり、顎関節症を引き起こす可能性が高くなると指摘されています。鼻呼吸では、舌や口腔内の筋肉が正しく機能するようになり、顎の位置や姿勢を正常に保つことで顎関節症の予防や症状緩和に役立つことが知られています。

ストレスの軽減

ストレスは、自律神経のバランスを崩し、筋肉の緊張や血流の悪化などの身体的な変化を引き起こします。このような身体的な変化が、顎の関節部分にも影響を与え、痛みや不快感を引き起こすことがあります。また、ストレスは、歯ぎしりや咬み合わせの異常など、顎関節症を引き起こす要因にもなります。ストレスを軽減するために、適度な運動や自分なりのリラックス法を行うことがお勧めです。